Wednesday, July 22, 2009

ヘアスタイリストことはじめ

日本語で言うところの床屋は古代から存在しました。
17世紀になると、床屋はそれまでどおり外科・歯科医として働く傍ら(中世からそうでした)、カツラ作りも始めます。しかしこれは現在の床屋とほぼ同様、男性による男性のための職業でした。
対する女性はどうしていたかというと、床屋の女房や娘、或いは召使いや侍女に、自宅で髪を結わせていました。

そこに何故、唐突に男性のヘアスタイリストが現れたのかは分かりませんが、1640年頃にシャンパーニュ(本名、詳細不詳)と呼ばれた、欧州初の女性のための男性美容師がパリで絶大な人気を博するようになります。

彼の顧客リストにはフランス王室のお姫様方が名を連ね、ことに1645年にポーランド国王に嫁いだマリー・ルイーズ姫は、シャンパーニュにポーランドまで付いてきてくれるように頼んだほどです。

シャンパーニュのいちばんの功績は、美容師というものを職業として打ち立てた事でしょう。
彼自身は大変わがままで癇癪持ち、気に入らないことがあれば髪を半分やりかけのまま、顧客の家を去ったりするので、人気がある半面、敬遠する人もいました。そういうわがままを嫌ったり、余りに高額なサービスう受けられない女性が多くいたがために、パリの街に初めて、女性美容師による公共の美容院が作られました。顧客はお店をスタイリングの為に尋ねるようになったのです。
これによってスタイルの変化、新しいスタイルを作り上げる事の重要性が生まれました。以後、女性のヘアスタイルはめまぐるしく変化し始めます。

picture above from 20,000 Years of Fashion

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