Wednesday, November 12, 2008

14世紀のスタイル Part3

このくらい古い時代だと、ヴィジュアル資料が大変少ない。手元にある殆どが、石棺の彫刻の写真等で見にくいので、ここには取り合えず載せてないが。。

私が考え付く理由は、1.古すぎて残ってない。2.油絵は発達しておらず、フレスコ画は古くて細部が分からない。3.この当時はまだ宗教画ばかりで、資料として役に立たない。4.端切れすら殆ど残ってない。

左の絵の女性は14世紀前半から中期にかけての見本みたいなものだろうか。

ヴェイルのわきからほんの少し髪の毛が見えている。
14世紀前期頃には結構はしたないことだったので、女性(特に既婚)は髪の毛はすっぽり完全に(おそらく麻布のヴェイル)覆っていた。この絵ではよく分からないが、細いバンドで布を押さえているかもしれない。

ドレスは長袖のぴったりめの物(肘から手首まではおそらくボタンがある)の上から、ジャンパースカート風のをもう一枚。これらアイテムの名称は、国や研究者により一定でないので、取り合えず省いておく。

ここで手袋をはめているのは、おそらく鷹狩りだからだろうか。この時代は裕福な人しか持ってなかった。

左の2つの絵の女性の袖に注目していただきたい。
14世紀頃の絵らしいが、このころ上に重ねるドレスの袖の肘から下が、細長く垂らすかたちになっていった。
斑っぽく見えているのは毛皮を見せている(らしい)。これはこの後、取り外し可能な、長くてより装飾的な物に変化して行く。

中世から18世紀までの欧州は非常に寒かった。そこで裕福な人々の間では毛皮の裏張りが流行ったが、この女性達は、それを見せることによって、富を誇示しているのかもしれない。

もう一つの二人の共通点は、髪型。耳の上で編んだ髪を縦にまとめている。
右の女性はその上に、ヴェイルを留めるためのヘアバンドをしている。

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